ある確率分布に従う独立な確率変数\( X, Y \)の和\( Z = X + Y \)も同じ確率分布に従うことを「確率分布の再生性」という。
正規分布、二項分布、ポアソン分布は再生性があるが、この記事では正規分布の再生性だけを証明する。
証明のための前提知識
前提知識①
モーメント母関数を用いて証明するので、正規分布\( N(\mu, \sigma^2) \)のモーメント母関数\( M(t) \)をまずは紹介する。
$$
M(t) = \exp(\mu t + \frac{\sigma^2 t^2}{2})
$$
この正規分布のモーメント母関数の導出については下の記事を参考にして欲しい。
前提知識②
独立な確率変数\( X_1, X_2 \)の和\( Y = X_1 + X_2 \)のモーメント母関数\( M_Y(t) \)は次のようになる。
$$
M_Y(t) = M_{X_1}(t) M_{X_2}(t)
$$
ただし、\( M_{X_i}(t) \)は\( X_i \)のモーメント母関数。
これについて、一般の場合の解説・証明は下の記事を参考にして欲しい。
正規分布の再生性の証明
確率変数\( X, Y \)は独立で、それぞれ正規分布\( N(\mu_1, \sigma_1^2), N(\mu_2, \sigma_2^2) \)に従うとする。
このとき、\( Z = X+Y \)が正規分布\( N(\mu_1 + \mu_2, \sigma_1^2 + \sigma_2^2) \)に従うことを示す。
以下、手書き。
参考にした本
「スッキリわかる確率統計: ―定理のくわしい証明つき―」という本を参考にしました。
この本は他の統計の本には書いてない証明なども書いてあるので、オススメです!
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