区間推定の公式と証明・導出(統計検定2級・準1級)

区間推定 数学

この記事では統計検定2級・準1級レベルの「区間推定」の公式と証明・導出を列挙します。証明・導出は基本的に個別の記事に書くので、各リンク先を参照してください。(順次個別記事を公開していきます

この記事の解説に間違いなどあれば、コメントで教えて頂けると幸いです。

解説の前に

統計検定2級までは区間推定の公式を暗記するだけで試験に対応できる気がします。ただし統計検定準1級以上を目指す方は、証明・導出まで理解した方が良い気がします。

区間推定には大きく分けて1標本の場合2標本の場合があります。

この1標本の場合2標本の場合というのは、標本のサイズが1や2であるということではなく、標本を抽出する母集団が1つであるか、2つであるかの違いです。

1標本の場合が1つのクラスのテストの平均点について考えるのに対して、2標本の場合は2つのクラスのそれぞれのテストの平均点を比較します。

この記事では1標本の場合と2標本の場合に大きく分けて解説します。

1標本の場合

1標本の場合、主に区間推定されるのは母集団の母平均\( \mu \)と母分散\( \sigma^2 \)です。

母平均\( \mu \)の区間推定

母分散\( \sigma^2 \)が既知の場合

豆知識:実際の場面では母平均が分かっていないのに母分散が分かっている状況は稀。あまり現実的な仮定ではないが、理論を学ぶ上で基礎として重要。

母平均\( \mu \)の\( 100(1-\alpha)\% \)信頼区間

$$
\bar{x} – z_{\frac{\alpha}{2}} \sqrt{\frac{\sigma^2}{n}}
\lt \mu \lt \bar{x} + z_{\frac{\alpha}{2}} \sqrt{\frac{\sigma^2}{n}}
$$

証明・導出は下の記事

母分散\( \sigma^2 \)が未知の場合

母平均\( \mu \)の\( 100(1-\alpha)\% \)信頼区間

$$
\bar{x} – t_{\frac{\alpha}{2}}(n-1) \sqrt{\frac{u^2}{n}}
\lt \mu \lt \bar{x} + t_{\frac{\alpha}{2}}(n-1) \sqrt{\frac{u^2}{n}}
$$

注意:上の式の\( t_{\frac{\alpha}{2}}(n-1) \)の部分は1まとまりの値で、自由度n-1のt分布の上側\( \frac{\alpha}{2} \)点を表す。\( t_{\frac{\alpha}{2}} \)に(n-1)が掛けられているわけではない

注意:\( u^2 \)は標本不偏分散で、\( u^2 = \frac{1}{n-1} \sum (x_i – \bar{x})^2 \)

証明・導出は下の記事

母分散\( \sigma^2 \)の区間推定

母分散\( \sigma^2 \)の\( 100(1-\alpha) \% \)信頼区間

$$
\frac{(n-1)u^2}{{\chi^2}_{\frac{\alpha}{2}}(n-1)}
\lt \sigma^2 \lt
\frac{(n-1)u^2}{{\chi^2}_{1-\frac{\alpha}{2}}(n-1)}
$$

注意:上の式の\( {\chi^2}_{\frac{\alpha}{2}}(n-1) \)と\( {\chi^2}_{1-\frac{\alpha}{2}}(n-1) \)の部分はそれぞれ1まとまりの値で、自由度n-1の\( \chi^2 \)分布の上側\( \frac{\alpha}{2} \)点と上側\( 1-\frac{\alpha}{2} \)点を表す。

注意:\( u^2 \)は標本不偏分散で、\( u^2 = \frac{1}{n-1} \sum (x_i – \bar{x})^2 \)

証明・導出は下の記事

2標本の場合

2標本の場合、2つの母集団の母平均の差\( \mu_1 – \mu_2 \)の区間推定が重要だ。

母平均の差\( \mu_1 – \mu_2 \)の区間推定

母分散\( \sigma_1^2, \sigma_2^2 \)が既知の場合

豆知識:実際の場面では母平均が分かっていないのに母分散が分かっていることはあまり無いだろう。母分散が既知というのはあまり現実的な仮定ではない。ただし、理論を学ぶ上で基本として重要。

\( \mu_1-\mu_2の100(1-\alpha) \% \)信頼区間

$$
\bar{x_1}-\bar{x_2}-z_{\frac{\alpha}{2}} \sqrt{ \frac{\sigma_1^2}{n_1} + \frac{\sigma_2^2}{n_2} }
\lt \mu_1-\mu_2 \lt
\bar{x_1}-\bar{x_2}+z_{\frac{\alpha}{2}} \sqrt{ \frac{\sigma_1^2}{n_1} + \frac{\sigma_2^2}{n_2} }
$$

証明・導出は下の記事

母分散\( \sigma_1^2, \sigma_2^2 \)が未知の場合

\( \mu_1-\mu_2の100(1-\alpha) \% \)信頼区間

$$
\bar{x_1}-\bar{x_2}-t_{\frac{\alpha}{2}} (n_1+n_2-2) \sqrt{\frac{ (n_1-1)u_1^2 + (n_2-1)u_2^2 }{ n_1+n_2-2 } \ (\frac{1}{n_1} + \frac{1}{n_2})}
\lt \mu_1-\mu_2 \lt \\
\bar{x_1}-\bar{x_2}+t_{\frac{\alpha}{2}} (n_1+n_2-2) \sqrt{\frac{ (n_1-1)u_1^2 + (n_2-1)u_2^2 }{ n_1+n_2-2 } \ (\frac{1}{n_1} + \frac{1}{n_2})}
$$

証明・導出は準備中です・・・すみません

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